とうちゃんがハンターカブを手に入れたわけ
とうちゃんは,今から二十年ほど前,まだ学生だった頃,自動二輪(中型限定)の免許を取りました。
はじめは免許だけ取るつもりでしたが,教習所で400ccのバイクにまたがったとたん,バイクを買う決心をしました。
免許を取ってすぐに,エンジン音に憧れて,
400ccのスポーツタイプ(SUZUKI
GSX400FW)を購入しました。
が,水冷4気筒,巨大な燃料タンクを持ったその車体は重いのなんの,まるでナナハンなみでした。
半年ほどで手放すことにし,かわりに250ccのオフロードタイプ(YAMAHA
XT250T)を購入しました。
このバイクとは長いつきあいで,通学の脚はもちろんのこと,北海道ツーリングにも行ったり,
千葉から紀伊半島経由で実家の大阪まで帰ったりと大活躍でした。
就職後もしばらくは通勤の脚として活躍してくれました。
もちろん,かあちゃんとタンデムもしました。
結婚して,こどもたちが生まれ,日常の脚がバイクから車に変わり・・・
すっかり乗らなくなってしまったこのバイクは,ついに数年前にスクラップ屋に引き取られて行きました。
バイクのことはすっかり忘れていたある日,
昔から愛読していたアウトドア雑誌でハンターカブを見かけました。
「そういえば,バイクの免許を取りたての頃,こんな個性的なバイクがバイク雑誌に載っていたっけな。」
少し気にはなっていたものの,大排気量に憧れていた当時は購入の対象にはならず,忘れ去っていました。
「まだ売ってるんだ。」「いつか手に入れたいな。」その時はその程度のことでした。
2001年の初秋,いつものように車で通勤していると,視界の中に真っ赤なバイクが現れました。
「もしや?」と直感したとうちゃんは,すぐにバイクの横を併走し,CT110のエンブレムを見つけました。
「これがあのハンターカブか。」初めて実物を見た瞬間感じたことは,「ほしいっ!」でした。
すぐにインターネットで検索したところ,いくつかの情報がわかりました。
そんな中で衝撃的だったのは,「製造中止。今後は入手困難から入手不可能に。」でした。
このままでは,いつか手に入れる夢が・・・
その日からとうちゃんはかあちゃんに優しくなりました。
とうちゃんの机の上には,なぜか例のアウトドア雑誌が開いたままで置き続けてありました。
そして,頼み続けること約2ヶ月,ついにお許しが出たのです。
かあちゃん,ありがとう!!!
おわかりですか?とうちゃんがハンターカブを手に入れたわけ。
そう,ただ純粋に「ほしかった」んです。
ハンターカブはそんなバイクです!!!
きっと長い付き合いができそうです。